2011年10月18日火曜日

A4-3300の選別落ち感が結構酷い(GFの32nmについて?)

ちょっと定格クロックで電圧を下げてとやっていましたが、とりあえず2.5GHzだとほぼ確実に1.050Vでは起動できません。BIOSで設定した場合Windowsの起動中にブルースクリーンでしたし、K10statで設定した場合でも即ブルースクリーンです。

 個人的には、ネットを見る限りA8-3850(2.9GHz)で1.10V程度、A6-3650(2.6GHz)1.00V程度の報告があったりしたので、2.5GHzならば1.00Vは余裕だと思い込んでいました。(設計が違いますが、PhenomⅡx6 1065Tでも2.4GHz 1.00Vは経験済み)

 このA4-3300やA4-3400が今のところ、2コア専用ダイになったということは聞こえて来ません。(E2-3000Mマシンは登場しましたがこれも詳しいところは不明)という訳で、4コアの2コア殺しという仮定のまま話をしていきたいのですが、通常2コア殺しされるようなチップは元から良くないものだというのがあるかと思います。

 ですが、2コア殺しの場合ダメな部分を半分(GPU部分でも半分)も無くしているので、残った部分だけで言えば4コアの選別をクリアしたものぐらい出ても普通かと思います。それでもこのレベルというのはGFの32nmの歩留まりの悪さなどを表しているのかもしれません。

 低電圧時では消費電力差が出にくいので調べるだけ無駄感があり、あまり設定を詰められていませんが、低クロック(低電圧)時では32nmの効果が出ていると思われる消費電力です。とはいえ2GHz中盤~あたりから微妙な感じがひしひしと伝わってきます。ココらへんからさらに上になる3GHz程度となると45nm世代との差が出にくくなっているかと思います。(選別落ちと思われる物でですが)

 今回のA4-3300だけで言うのはおかしな話ですが、とりあえず、データを残しておきます。定格の1.40Vではアイドル時のリーク電流も結構な量になっているかと思います。(実際には定格運用ではアイドル時にはクロックはそのままでも電圧が下がったり、クロックと共に電圧が下がるので違います)

 計算値(電源の変換効率は無視しているので・・・)
(prime95(smallFFTs)-アイドル時最小)≒(AMDだとTDPに近い値)

・3.0GHz 1.256V 43.0W←AthlonⅡx2 250eとの差が出ない

・2.5GHz 1.400V 45.8W(アイドル時+8.8W)←定格だとAthlonⅡx2などの45nm品以下
・2.5GHz 1.360V 39.7W(アイドル時+6.6W)
・2.5GHz 1.312V 35.5W(アイドル時+6.1W)
・2.5GHz 1.256V 30.5W(アイドル時+4.8W)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー1.20Vぐらいが32nmの限界?(リークの増加)
・2.5GHz 1.208V 26.9W(アイドル時+3.8W)
・2.5GHz 1.152V 25.6W
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー1.10Vぐらいからワットパフォーマンスの悪化
・2.5GHz 1.104V 23.0W←AthlonⅡx2 260uと比較すると優秀?(だけどTurionⅡ P560レベル)
・2.2GHz 1.052V 18.4W
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー32nm(High-k)の本領発揮?
・2.0GHz 1.004V 15.1W
・2.0GHz 0.976V 14.3W
・1.8GHz 1.000V 13.8W
・1.8GHz 0.952V 12.7W
・1.8GHz 0.928V 12.0W←モバイルノートに載せられるレベル(注)
・1.6GHz 0.976V 12.1W
・1.6GHz 0.880V 9.9W

 実際には、半導体の設計の方針でインテルは低電圧・大電流でAMDは高電圧・小電流という傾向で作られているようなので32nmでもそういう傾向なのかもしれません。AMDの45nmではC2とC3ステッピング(AthlonⅡ)で電圧が上がり消費電力が下がるということもあったので・・・

 それでも、今回のA4-3300を見る限りGFの32nmではやっぱり1.1V~1.2Vあたりが一つの上限と言う感じが個人的にはします。加えてクロックも上がりにくい(よく回るものが取れにくい)傾向があるかもしれません。

 Bulldozerがもうすぐ登場しますが、25%高クロック化がし易い設計だとして3.1GHzのFX-8120で言えばK10系の2.5GHz相当品と考えられなくも無いかと、すると1.2V~1.3V程度(FX-8150より推測)の電圧が掛かりというのもちょっと高い気もします。4gamerでOCの記事がありましたが、1.45Vで4.5GHzで300W以上というのもGFの32nmでの許容電圧がとても1.4V付近では無いことが分かるかと思います。

 個人的な感想ですが、半導体としての二次曲線のポイント(消費電力の増加幅が増える場所)が一致するのは大体、AMD(GF 45nm 1.4V)=(GF 32nm 1.2V)という気がします。製品としてはマージンを持たせなければならないのはあるかと思いますが、それでもLlanoを今の所1.4Vで発売しているというのは、そういうことなのでしょう、たぶん。

 本来であればきっと1.1Vで回るA8-3850が当たり前のようにあったり、3GHzオーバーのLlanoが出たりというのがAMDやGFの32nmの予定だったのかもしれません。(冷やせばまあまあ優秀みたいですが、液冷とか普通に商品として成立しないので意味ないですし)


(注)仮に電源の変換効率が80%として12.0Wの消費電力だと変換効率が100%で9.6W、ノートPCではACアダプタなので90%以上+VRM周りの効率(ロス)も含めればCPU部でTDP 10Wレベルなのでは無いかと(汗)

 追記
 精度の比較的高い消費電力データ(少量)を載せました→A4-3300の消費電力2

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